
オンラインゲームが普及し、自宅にいながらいつでも世界中のプレイヤーと対戦できる現代。ネット上で完結できる趣味だからこそ、あえて「大学のサークル」というリアルなコミュニティに所属する意味が問われています。 2024年4月に設立され、現在30名規模で活動する早稲田大学の格闘ゲームサークル「闘門会」。彼らが大切にしているのは、ストイックに勝利を追求することよりも「友達の家でゲームをして遊ぶような感覚」。 今回は、闘門会へのインタビューをもとに、サークルとしての独自のスタンスや、オンライン全盛期における対面活動の価値、そして今後の展望について紐解いていきます。
勝ち負けよりも「居場所」を。エンジョイ勢が9割を占めるゆるやかな雰囲気
闘門会は、その名の通り格闘ゲームを主な活動領域とするサークルです。現在の主なプレイタイトルは『ストリートファイター6』で、メンバーの関心に合わせて『鉄拳』なども遊んでいるそう。 「格闘ゲーム」と聞くと、1対1の真剣勝負や、大会にも出場するような実力主義のストイックな世界を想像するかもしれません。しかし、闘門会が最も大切にしているのは「ゲームを通じた交流」です。現在30名いるメンバーのうち、いわゆるガチ勢とゆるく遊びたいエンジョイ勢はどちらも在籍しており、自分の目的にあった活動ができます。 サークルの理念は、「友達の家でゲームをして遊ぶという体験の延長線上」にあります。自分の趣味を通じて色々な人と話せるあたたかい居場所をつくること。それが、闘門会の核となるスタンスです。ゲームの腕前に関わらず、誰もが純粋に楽しめるコミュニティづくりが徹底されています。

強制はしない。自分のペースで「フラッと戻れる」自由な文化
闘門会の普段の活動は、毎週金曜日に実施されるオンラインでの集まりが主軸。しかし、ここでも「絶対に参加しなければならない」という義務感は一切ありません。 ゲームに対する熱量には、時期によって波があるもの。他のジャンルに熱中している時期もあれば、久しぶりに格闘ゲームを触りたくなる時期もあるはず。闘門会はそうした個人のペースを尊重しており、サークルとしてはあえて「放任主義」をとっています。いわゆる幽霊部員のような状態になっても問題なく、自分がゲームにハマったタイミングでフラッと復帰できる気楽さが、メンバーにとっての居心地の良さに繋がっています。 また、早稲田大学内にはすでに『大乱闘スマッシュブラザーズ』の専用サークルや、FPSをメインとするeスポーツサークルが存在します。そのため、闘門会はあえてスマブラを活動の対象外とし、明確な棲み分けを行っています。他のeスポーツサークルと兼任しているメンバーも複数おり、各自が自分のやりたいゲームに合わせて自由にコミュニティを選べる環境が整っています。現状メンバーは男子のみですが、女性の参加を制限するルールはなく、希望があれば歓迎するオープンな姿勢を持っているそう。
ネットで完結しない、「大学サークル」としての意義
オンラインでの対戦や交流が当たり前になった今、「ネット上のコミュニティに行けば十分ではないか」という疑問が湧くかもしれません。しかし、闘門会は「大学のサークルだからこそできること」の創出に強いこだわりを持っています。 その大きな理由が、「同じ大学に通っている」という帰属意識と、地理的な近さを活かしたオフラインでの交流です。普段はオンラインで活動しつつも、不定期で対面のイベントを積極的に企画しています。 例えば直近では、駒沢大学と8対8での大学対抗戦を実施し、白熱した交流が行われたそう。さらに夏休みには、岩手県で開催される大会に合わせて、メンバーで合宿に行く予定も立てています。画面越しの付き合いにとどまらず、実際に顔を合わせ、同じ空間で熱狂を共有する。こうしたリアルな体験の積み重ねこそが、単なるネットの集まりにはない、大学サークルとしての真の価値を生み出しています。

闘門会が見据える未来と、未来のメンバーへのメッセージ
2024年4月に産声を上げた闘門会は、これからさらに進化を遂げようとしています。 彼らが現在見据えている大きな目標は、「大学公認サークル」になることです。公認サークルになることで、大学対抗リーグへの参加など、よりスケールの大きな活動への道が開かれます。 そして何より熱望しているのが、「部室」というリアルな拠点の確保です。大学内にいつでもフラッと立ち寄れる場所があり、そこにいけば誰かがいて、対面で気軽に対戦ができる「たまり場」を持つこと。それが実現すれば、闘門会が目指す「友達の家の延長」という理想は、より強固なものになるはず。 格闘ゲームが純粋に好きな人、同じ趣味を持つ仲間とワイワイ楽しみたい人、そして自分の居場所となるあたたかいコミュニティを探している人にとって、闘門会は間違いなく魅力的な選択肢となるでしょう。オンラインとオフラインの良さを掛け合わせながら、彼らの「楽しい居場所づくり」はこれからも続いていきます。
