大学のキャンパス紹介と聞くと、教室や図書館を思い浮かべるかもしれない。けれど戸山キャンパスを歩いてみると、まず“お腹”からこの場所を知りたくなる。
パンがずらりと並ぶミルクホール、芝生に腰を下ろせる戸山の丘、しっかり食べたい日に頼れる戸山カフェテリア。そして、学生から「戸山の誇り」と呼ばれるスターバックス。
食べる場所をたどりながら歩いてみると、キャンパスの景色だけでなく、学生たちがここでどんな時間を過ごしているのかまで、少しずつ見えてきた。

キャンパスに着いて、最初に向かうのは教室ではなくパン
戸山キャンパスに到着すると、まず目に入るのが「早稲田大学戸山キャンパス」と刻まれたコンクリートの壁だ。
周囲には背の高い木々が並び、その奥にはキャンパスの建物が見える。コンクリートを基調とした落ち着いた景色の中に緑がしっかり入り込んでいて、大学の入口でありながら、どこか公園のような空気も感じられる。
文学部や文化構想学部の学生が通い、近くにはサークル活動の拠点となる学生会館もある戸山キャンパス。多くの学生が行き交うこの場所で、最初に向かったのは教室ではなかった。
目指すは、キャンパス内で人気のパン屋さん「ミルクホール」だ。
店内に入ると、棚には形も大きさも異なるパンがずらり。種類が豊富で、目の前にするとどれを選ぶか迷ってしまう。とはいえ、その時間もなかなか楽しい。
授業前にさっと立ち寄って朝食を買う日もあれば、お昼に食べるパンをじっくり選ぶ日もありそうだ。キャンパスの中にこうした選択肢があるだけで、昼休みの楽しみはだいぶ変わってくる。
パンを買ったら、少し階段を上って「戸山の丘」へ
ミルクホールでパンを手に入れたら、そのまま「戸山の丘」へ向かいたい。
途中には階段があり、名前のとおり少し高い場所へ上っていく。パンを買った直後に、ほんの少しだけ運動できる。食べる前の帳尻合わせとしては、ちょうどいいのかもしれない。
階段の先に現れるのは、木々に囲まれた芝生の空間だ。
建物の中で食べるのとは違い、視界には緑が広がり、周囲にもゆとりがある。キャンパスの中にいながら、建物が集まるエリアの慌ただしさから少し離れられる場所である。
買ってきたパンを持って芝生に腰を下ろせば、いつもの昼休みもちょっとしたピクニック気分に変わる。教室へ直行するのではなく、丘まで歩いて外で食べる。それだけでも、授業の合間のいい気分転換になりそうだ。
新入生や受験生が戸山キャンパスを訪れたときには、建物だけでなく、この丘も見つけてほしい。
大学生活では、授業を受ける場所と同じくらい、空き時間にどこで過ごすかも大切になる。気軽に腰を下ろせる緑の居場所があることは、実際にここで過ごす毎日を想像するうえで、意外と大きなポイントだ。
しっかり食べたい日は、戸山カフェテリアへ
パンと芝生の組み合わせも魅力的だが、「今日はもっとしっかり食べたい」という日もある。
そんなときに向かいたいのが、戸山カフェテリアだ。
入口には大きく施設名が表示されており、初めて訪れる人でも比較的見つけやすい。中では麺類や小鉢などを組み合わせ、自分のお腹の空き具合に合わせて食事を選べる。
そして、戸山カフェテリアのありがたいところは、お昼でも座れることが多いこと。
大学の昼休みといえば、食事を選ぶことよりも席を確保するほうが大変、という日も珍しくない。それだけに、昼の時間帯でも比較的腰を落ち着けて食べられるのは、地味に見えてかなり助かる。
急いでいる日はミルクホールでパンを買い、しっかり食べたい日はカフェテリアへ。その日の予定や気分に合わせて昼食を選べるのも、戸山キャンパスの過ごしやすさの一つだ。
「今日は何を食べようか」。戸山の昼休みは、そんな小さな悩みから始まる。
“戸山の誇り”で、飲み物と一緒に机へ向かう

戸山キャンパスの食にまつわる場所を語るなら、スターバックスも外せない。
学生からは、なんと「戸山の誇り」と呼ばれることもあるという。少し大げさに聞こえるかもしれないが、キャンパス内にスターバックスがあることをうれしく思う学生の気持ちは、なんとなく分かる。
店内は白を基調とした明るい空間。大きなガラスの向こうにはキャンパスの緑が見え、先ほどの戸山の丘とはまた違った形で、落ち着いた時間を過ごせる。
席数はそれほど多くないため、時間帯によっては席探しに苦戦することもありそうだ。ただ、席に座ることができれば、飲み物を楽しみながら勉強や作業を進められる。
昼食後に少し課題へ手をつけたいとき。次の授業まで時間があるとき。友人と話しながら、ひと息つきたいとき。
戸山のスターバックスは、ただ飲み物を買う場所というより、授業と授業の間に気持ちを切り替えるための居場所になっているようだ。

食べる場所をたどると、戸山で過ごす一日が見えてくる
ミルクホールでパンを選び、戸山の丘で食べる。お腹が空いている日はカフェテリアへ向かい、食後はスターバックスで飲み物を片手に机へ。
戸山キャンパスの食にまつわる場所を巡ってみると、ここで送る学生生活の一場面がかなり具体的に浮かんでくる。
このキャンパスの印象をつくっているのは、建物の立派さだけではない。緑の中で食事ができる場所、気軽に立ち寄れる店、友人と話したり、一人で作業したりできる空間。そうした居場所がキャンパス内に点在していることも、戸山らしさの一つなのだろう。
初めて訪れたときは、建物を眺めて回るだけでなく、ミルクホールから戸山の丘、カフェテリア、スターバックスへと歩いてみてほしい。
その道をたどれば、戸山キャンパスで授業を受ける日々だけでなく、その合間に何を食べ、どこで休み、どこで友人と過ごすのかまで、少しだけ想像できるはずだ。
