はい、噛みました。
めちゃくちゃ噛みました。
「これもう噛んだってレベルじゃなくて、“別の言語”になってたのでは?」くらいの噛み方でした。
場所は某広告系の企業。オンライン面接。
志望動機も自己PRも、何度も練習してたし、
「いけるっしょ!」ってテンションでZoomに入ったんです。
背景も白壁、照明もバッチリ、パソコンの角度も完璧。
なのに、口だけが言うことを聞いてくれなかった。
面接官がいい感じの人で、しかも早稲田のOBで、「じゃあ最初に自己紹介からお願いしますね〜」って言った瞬間、
緊張が喉の奥にゴン詰まりしたのか、最初の一文からこうなった。
「は、はじめまして!早稲田大学の…あの、教育学部…〇…〇〇ですっ……!」
何回“〇”言うんだよってレベルでつまずいて、
そのあとも
「学生時代は、さ、サークルで、広報を…や、やっておりました……(小声)」
っていう、“自信なさすぎて逆にこっちが心配になる学生”ムーブを全開で披露。
たぶん、画面の向こうの面接官、だいぶ優しい目をしてた。
あれはたぶん、もう“面接”ってより“人道的ケア”の時間だった。
極めつけは、志望動機。
練習ではちゃんと「〜〜に惹かれました」って言えてたのに、
本番ではなぜか、
「えっと……御社の……その、し、しっそう……(ん?)」
「……失踪じゃなくて……し、しそう……しんそう……?」
って、“真相”と“思想”と“失踪”が全部口から飛び出して、パニック。
いや、「御社の失踪に惹かれました」って何!?事件か?
一瞬、「すみません、やり直してもいいですか」って言おうと思ったんだけど、
すでに3回目のつまずきで、それすらも滑舌あやしかったので、
もう開き直って、「すみません、緊張して噛み倒しました!」って自白した。
面接官、笑ってくれて、「全然大丈夫ですよ〜」って言ってくれたけど、
あれは絶対“大丈夫じゃないときの“大丈夫”だった。
そのあと一応質問もして、「働いてる方の雰囲気についてお聞きしたいんですが…」って頑張って聞いたけど、
返ってきた答えに「なるほどです!」って3回くらい連発して、完全に語彙力枯渇モード。
面接が終わって、退出した瞬間、
一人で「……おつかれしたァァ……」って天井に向かって土下座した。
でもね、不思議と悔しさより、「人間ってこんなに噛めるんだな」っていう感動の方がデカかった。
たぶんあの日、口の中の滑舌神経が全部バグってた。
リハのときはあんなにスムーズだったのに、なぜ本番で“しっそう”って言葉が出てくるのか。
我ながら謎すぎて、ちょっと笑えた。
ちなみに、落ちました。
ですよね!!!!って感じだった。
でも、なんか“ちゃんとやらかした感”があると、落ちてもすっきりする。
この失敗から得た教訓はただひとつ。
噛んでもいいから、自分の言葉で話すこと。
そして、絶対に“思想”って言いたいときは、前日に10回声に出しておくこと。
以上です。