──就活が“想定よりエグかった話”を全部書く
「学歴あるし、まあ何とかなる」って思ってた。マジで。
大学3年の5月。友達が「サマーインターン応募した?」と聞いてくる。
内心、「あーもう始まってるのか」とちょっと焦った。
でも正直、余裕ぶってた。
「俺、早稲田だし。TOEICもそこそこあるし。 サークルもゼミもバイトもやってるし、学チカもまあまあある。 ガチればなんとかなるでしょ」
そう思っていた。いや、信じたかった。
最初の“違和感”──サマーインターン全落ち
ES10社提出。
自己PR、学生時代頑張ったこと、志望動機…全部テンプレートで回せた。
提出し終えたときは、ちょっとした達成感すらあった。
けど結果は──
✉「選考結果のお知らせ:不合格」 ✉「今回はご縁がなかったということで…」
1社、2社…7社、8社…。 気づけば、受けた企業すべてに落ちていた。
「え、自分ってもしかして“就活弱者”なの?」という初めての疑念
Bくん(教育学部・男子)は語る。
「正直、就活って“やれば何とかなる”と思ってたんですよ。 だから初めて“何社も落ちた”って現実が来たとき、 “あれ? 自分ってそんなに価値ないの?”って、ちょっと病みかけました」
早稲田に入った時点で「勝ち組」と思ってた。
就活なんて“実績”でゴリ押せるものだと思ってた。
…でも、違った。
SNSに流れる「就活余裕でした」ポストに撃沈する
就活が少し進んだ頃、X(旧Twitter)やInstagramに増えてくるのが──
- 「第一志望から内定出ました✨」
- 「早めに動いて正解だった〜!」
- 「SPI通過10連続!就活楽しい笑」
…といったポスト。
もちろん、本人たちに悪気はない。
でも、その投稿を見るたびに、自分が“できない側の人間”みたいに思えてくる。
「なんで俺だけ?」 「早稲田なのに」 「落ちる理由がわからない」
そんな感情が、心の中にゆっくりと、しかし確実に積もっていった。
「ガクチカが弱いのか?」「自己PRが浅いのか?」無限の自責ループへ
ある日、面接官からこんな一言をもらった。
「うーん、すごく真面目に取り組んできたのは分かるんだけど… “あなたらしさ”ってどこにあるの?」
その瞬間、全身がゾッとした。
「あなたらしさ」なんて、考えたことなかったから。
ゼミ、バイト、サークル、TOEIC、インターン…
積み上げてきたのは“実績”であって、“自分”じゃなかった。
早稲田生あるある:「肩書きに安心してた。でも、言語化は苦手だった」
Cさん(商学部)は、学内の人気サークルで副代表をしていた。
「サークルでやってきたことはいっぱいある。でも、 “何を考えて”“なぜそう行動したか”を深く話せって言われたら、何も出てこなかった」
「やったこと」は語れても、「意味づけ」ができない。
これが、“就活に苦戦する早稲田生”にありがちな壁だ。
就活、“自分の中身のなさ”に直面したとき
──エピソードがあるのに「語れない」苦しさ
「就活って、自己分析すればいいんでしょ?」の大誤解
Dさん(政経学部・男子)は、自己分析を始めたときこう思っていた。
「とりあえず“モチベーショングラフ”書いて、強みとか性格診断やって、 ガクチカのフォーマットに沿って文章作れば、それっぽくなるでしょ」
実際にそうやってESを仕上げた。
- 「リーダーとしての役割を意識しました」
- 「課題を発見し、チームで解決しました」
- 「この経験から私は、周囲を巻き込む力を身につけました」
──完成した文章は、完璧な“テンプレ”だった。
面接官「それって、あなただけの話ですか?」
1月中旬、ある企業の個人面接で言われたことが忘れられない。
面接官:「うん、がんばったことはよく伝わってきたんだけど… 正直、それってあなたじゃなくてもできたのでは?」
言葉が詰まった。
たしかに、正論だった。
そこに**“自分である必然性”**がなかった。
自己分析が“自分責め”になる時期
そこから、何をやっても「うすい」と言われる恐怖に襲われた。
- 「何かをやりきった経験がない」
- 「周囲の人と比べてエピソードが弱い」
- 「そもそも“強み”って…自分にあるの?」
Eさん(文学部)はこう話す。
「自分を深掘りすればするほど、“空洞”を見ているような感覚になった。 一番つらかったのは、“私、何してきたんだろう”って思ったとき」
面接で“泣いた”話
Fさん(教育学部・女性)は、とある中堅企業の二次面接で、
まさかの「自分語り中に涙が出た」という経験をした。
「頑張った話をしているはずなのに、気づいたら“悔しさ”とか“無力さ”の方が強くなってしまって。 “なんで伝わらないんだろう”“どうして響かないんだろう”って、 面接室で初めて、就活のつらさが爆発した感じでした」
そんなとき現れた“救いの先輩”
Gさん(先輩・元ゼミ長)とのOB訪問で、こんなやりとりがあったという。
「就活って、なんとなく“自分をすごく見せるゲーム”だと思ってたけど、 ほんとは“ちゃんと人として会話ができるか”が大事なんだよ」
「すごくなくていい、ちゃんと自分の言葉で話して、相手の言葉を受け止めて。 面接は、キャッチボールであってテストじゃないよ」
この言葉が、心に刺さった。
SPI、ES、説明会、面接…詰め込み就活の“崩壊期”
2月後半になると、スケジュールは完全にカオスだった。
- 朝:説明会2本
- 昼:SPI受検×2
- 夕方〜夜:ES提出×3、翌日の面接練習
「就活ノイローゼ」「就活鬱」という言葉の意味が分かってきた。
寝不足・肩こり・慢性的な自己否定。
でも止まったら“後れを取る”気がして、やめられない。
「落ちるのが“日常”になってきた」感覚
3月初旬、Fくん(理工・男子)が言った言葉。
「最近、“ES落ちました”って通知来ても何も感じなくなってきました。 就活が、“不採用通知ガチャ”みたいな感覚です」
受かったらレア、落ちたらデフォ。 そんな“ガチャ文化”が身についてしまうと、逆に「成功体験」がないまま選考が進んでしまう。
そんな中、内定が出た“あいつ”が神に見えた
同じゼミのYくんが、「第一志望、受かりました」と報告した。
素直におめでとう、と思った。
けど、それと同時に“焦り”と“自分との差”に押しつぶされそうになった。
「俺は何やってんだろうなぁ…」 「どうして、あいつはすぐ見つかったんだろう」 「なにが、違うんだろう」
でも、その“違い”は「地道な準備」だった
Yくんに正直に聞いてみた。
「なんであんなに早く決まったの?才能?」
Yくんはこう言った。
「いや、たぶん“自分の話を、何度も言い直したから”だと思うよ。 面接でうまくいかなくて、帰り道に“ああ言えばよかった”ってメモして、 それを毎日見直して、次に備えてただけ」
特別な人じゃなかった。積み重ねた“言語化の記録”が違っただけだった。
「自分のままで受かった」って、本当にある話
──“就活の勝ち筋”は、意外なところにあった
「自分を偽らない面接」が、突破の鍵だった
2月下旬、Hくん(基幹理工・男子)はあるIT企業の面接に挑んだ。
準備はそれなりにしていたけれど、もう“就活キャラ”を演じるのに疲れていた。
だから、あえて“いつもの自分”で挑んだ。
- 飾らずに話す
- 少し噛んでも言い直さない
- 「御社にこだわりがあるかと言われると…正直まだ模索中です」と正直に言った
結果、最終面接まで進み、3月中に内定を獲得。
「逆に、等身大の方が刺さったみたいです。 自分で話しててもしっくりきたし、面接も“会話”って感じでした」
自己PRで“すごい話”より“自分だけの話”を
Jさん(文構・女性)は、もともと実績豊富な人ではなかった。
- サークルは幽霊部員
- アルバイトはコンビニ
- ゼミも特に目立ってはいない
でも、面接で話した内容は「コンビニで外国人バイトと築いた信頼関係」。
「具体的なエピソード」と「自分なりの工夫」がセットで語れたことで、
面接官から「あなたと働いてみたい」と言われたという。
「すごい経験があるかじゃなくて、“その経験をどう捉えたか”が大事なんだって実感しました」
「この会社じゃなくても…」が「ここで働きたい」に変わる瞬間
Kくん(社学・男子)は、ある中堅メーカーを受けた。
元々は「とりあえず受けてみる」枠だった。
正直、最初は興味もなかった。
でも、一次・二次と進む中で、面接官の対応、社員の雰囲気、説明会での話を通じて、
徐々に気持ちが変化していった。
「選考が進むたびに、“自分をちゃんと見てくれてる”って実感があって。 最終面接の前日には、“ここに行きたい”って思ってたんですよね」
「選ばれる就活」から「自分が選ぶ就活」へ
多くの早稲田生が、就活序盤は“企業に選ばれよう”と必死になる。
でも、ある時点でそれが“しんどさ”に変わっていく。
「どうすれば受かるか」ではなく、 「どうすれば自分らしくいられるか」
その軸で企業を見られるようになったとき、就活の景色がガラッと変わる。
「あなたがいる未来が想像できる」それが内定の理由だった
内定通知のあと、人事からこう言われた学生もいた。
「最終的な決め手は、“チームにあなたがいたらいいな”と思えたことでした」
高GPAでも、TOEIC900点でもない。
“人として信頼できそう”という直感が、評価につながった。
“言葉にする”って、実は最強のスキルだった
Nさん(教育学部)は、最後の3社で内定ラッシュが来た。
序盤は散々落ちていた。 でも、ESを50通以上書いたことで、自分の人生を語る力が自然と磨かれていたという。
「最初は、“なんか違う”って思われる面接ばっかりだったけど、 最後は、“自分らしさがあっていい”って言ってもらえるようになったんです」
就活は、“自分の言葉”で勝つ世界だった。
内定後の「ほんとの気持ち」と、就活を終えた早稲田生の言葉
──“やっと終わった”のその先にあるもの
内定の瞬間、意外と“静か”だった
Pさん(文学部・女性)が語る。
「内定が出たとき、“よっしゃー!”ってなると思ってたけど、実際は“あ、終わった”って感覚でした。 それくらい、精神がすり減ってたんだと思う」
もちろん喜びもあった。 でも同時に、「これで本当に良かったのか?」というじんわりした迷いも湧いてきた。
「就活って、終わった瞬間が“ゴール”じゃなくて、“判断の始まり”なんですよね」
「本当にここで働くのか?」という第2の自己分析が始まる
選考中は、「この企業で内定をもらいたい」と思っていた。
でも、いざもらったあとにやってくるのが、**“迷いフェーズ”**だ。
- 「会社の雰囲気、想像と違ったらどうしよう」
- 「他の企業、もう少し粘ってみればよかった?」
- 「この決断、間違ってないよね?」
誰もが、“選んだ責任”の重さを少しずつ実感し始める。
就活の「正解」は、終わったあとに作っていくものだった
実は、多くの内定者が「第一志望」ではない企業に進んでいる。
「正直、第一志望じゃなかったけど、今は“縁だった”と思ってる」 (商学部・BtoBメーカー内定)
「人間関係と働きやすさが最優先だと気づいて、選考途中で志望変えました」 (文化構想・インフラ系内定)
“理想の会社”に行けなかったとしても、自分の中で意味づけを変えることで「納得」はつくれる。
内定=すごい、ではない。辞退した人、就職しない人もいる
就活を終えた後、実はこんな人たちもいた。
- 内定はもらったけど、進学を選んだ人
- 全落ちしても、自分で起業した人
- 「就活やめて1年間休む」ことを決めた人
早稲田には、「就職しない」という選択肢を本気で考える自由がある。
「内定が正義じゃない。自分の納得が正義」 (政経・非営利法人内定)
「就活で何を得たか?」と聞かれたら、こう答える
複数の学生に、「就活を通して、いちばん得たものって何?」と聞いた。
返ってきた答えは、意外と“内定”ではなかった。
✅ 自分の話を言葉にできるようになった
「“説明できる自分”になったことが大きかった。 モヤモヤしてた性格も、過去の悔しさも、全部“話せる武器”になった」
✅ 人に頼ることができるようになった
「ES添削してもらったり、面接練習付き合ってもらったり…。 就活がなければ、“一人で戦わない”ことの大切さに気づけなかったかも」
✅ “仕事って何か”を初めて真剣に考えた
「働くってこういうことか、とか。 お金、やりがい、休み、全部含めて“生き方”の一部なんだなって感じた」
就活を終えた“今だから言える”リアルなメッセージ
最後に、就活を走りきった早稲田生からの「等身大のエール」をお届けします。
「落ちた数と、悩んだ時間のぶんだけ、語れる人になってるから安心していい」 (教育学部・出版系内定)
「“ちゃんとした理由”がなくても、“やってみたい”だけで志望動機になる」 (文化構想・人材業界内定)
「自分が嫌いだったけど、就活を通してちょっとだけ好きになれた」 (法学部・官公庁内定)
「“就活がうまくいく人”じゃなくて、“納得して終えた人”がカッコいい」 (理工・メーカー内定)
【まとめ】早稲田生へ、「しんどくても、やりきってよかった」と言える日がくる
就活はたしかに大変だ。
落ちるし、自分を疑うし、他人が眩しく見える。
でもその経験を通して、
**「自分で決める力」**が、少しずつ強くなっていく。
最後に問いかけたい
あなたは今、何に迷っていますか?
誰と比べていますか?
どんな未来に、“少しだけ”惹かれていますか?
その答えが、あなたの就活の「軸」になるかもしれません。
📣 Xで「#就活しんどかった早稲田生」で共感の輪を。
誰かの“悩み”と“前進”が、次の誰かの希望になります。