
1.
斎藤:本日はよろしくお願いします。今回は早稲田大学の学生に向けて、東レがどのような会社なのか、実際の仕事や社内の雰囲気、入社後のキャリアについて伺っていきたいと思います。まずはお二人の自己紹介をお願いします。
大賀:事務系の採用を担当している大賀です。現在入社4年目で、最初から採用を担当していたわけではなく、初期配属は愛知県の岡崎工場でした。そこで2年間、労務管理業務全般を経験して、その後、現在の採用の部署に異動しています。
斎藤:工場での勤務を経験してから採用担当になられたんですね。
大賀:そうですね。ちなみに趣味は旅行の計画を立てることです。実際に行くことももちろん好きですが、「次はどこに行こうかな」とGoogleマップを開いて考える時間が結構好きです。
久留島:私は2024年に入社して、現在3年目です。大賀と同じく初期配属は愛知県で、私は愛知工場に配属されました。2年間ほど工場の労務管理業務全般を担当して、今年6月から採用グループに異動しました。現在は大賀と2人で事務系総合職の採用を担当しています。
趣味は旅行と、最近だとピックルボールですね。実は東レの炭素繊維や樹脂などもピックルボールのパドルに使われていて、社内でも注目されているスポーツなんです。
斎藤:趣味の中にも東レの素材が出てくるんですね(笑)。今日は、学生からは少しイメージしづらい「素材メーカー」の仕事について、詳しく伺っていきたいと思います。
2. 企業の概要
斎藤:東レという名前は知っていても、「具体的に何を作っている会社なのか」と聞かれると答えられない学生も多いと思います。まず、身近なところではどんな製品に東レの素材が使われているのでしょうか。
久留島:一番イメージしてもらいやすいところだと、ユニクロ社の「ヒートテック」や「エアリズム」があります。
ほかにも、ボーイング社の航空機に使われる炭素繊維や、家庭用浄水器など、私たちの身近な製品や社会インフラを支える素材・技術を世界中に提供しています。
東レは単に素材を提供しているだけでありません。ユニクロ社やボーイング社などの企業とパートナーシップを組み、お互いのビジョンを共有しながら一緒にものづくりを進め、最終製品の価値づくりに深く関わっています。
そして、東レは2026年4月に100周年を迎えました。長い歴史を持ちながら、今も新しい価値を生み出し続けている会社です。
斎藤:100年なんですね。事業としては、どのように分かれているのでしょうか。
大賀:大きく分けると、主に4つあります。
まず「繊維事業」です。
ヒートテックのような衣料向けの繊維だけではなく、自動車のエアバッグや、空気清浄機などに使われるフィルターといった産業用途の素材まで幅広く展開しています。
東レはもともと繊維から始まった会社なので、長年培ってきた技術を持っている分野です。
次が「機能化成品事業」です。
スマートフォンや自動車などに使われる樹脂や、電子情報材料、フィルムなどを扱っています。
実はポテトチップスの袋など、普段何気なく手に取る製品にも東レの技術が使われています。
斎藤:スマートフォンからお菓子の袋まで、本当に幅広いですね。

大賀:そうなんです。
3つ目が「炭素繊維」の事業です。
先ほどお話しした航空機の他、水素関連や風力発電など、環境関連の用途でも期待されています。
最後が「水処理事業」です。
家庭用浄水器から大型プラントなどで使われる水処理膜まで、世界中の水問題の解決に貢献しています。
斎藤:「東レの商品」を直接目にするというより、世の中にあるさまざまな製品の中に入っているんですね。
久留島:そうですね。
素材そのものは小さく見えるかもしれませんが、実は皆さんの身の回りにある製品やサービスの中に、東レの素材や技術は数多く使われており、関わる企業が非常に多いのが特徴です。
例えばスマートフォン一つをとっても、特定の一社だけではなく、さまざまなメーカーの製品に東レの素材が使われているケースがあります。
普段は見えにくいかもしれませんが、幅広い産業や人々の暮らしを支えていることが、素材メーカーである東レの大きな特徴だと思います。
3. 企業の強み
斎藤:東レならではの強みは、どこにあるのでしょうか。
久留島:一つは、「川中」と呼ばれる中間素材の領域に強いことだと思います。
世の中には完成品をつくるメーカーもあれば、その原料を扱うメーカーもあります。その中で東レは、素材に新しい価値を加えることで、完成品そのものの可能性を広げていく役割を担っています。
大賀:私自身も就職活動のときに、そこに魅力を感じました。
完成品そのものを作るというより、その前段階にある素材を変えることで、完成品に新しい価値を生み出せる。
例えば「こういう機能を持つ生地を作りたい」「環境に配慮した素材を使いたい」といったニーズに対して、素材の側から新しいものを生み出していけます。
しかも、それに文系出身の社員も深く関われると知って、面白いと思いました。
斎藤:BtoBメーカーを志望する学生は、そういう部分に魅力を感じることが多いのでしょうか。
大賀:人によるとは思いますが、私の場合は「最終的なインパクトの大きさ」は一つありました。
完成品メーカーであれば、最終顧客に直接的な価値を届けられるという魅力はあると思います。
一方で素材メーカーの場合、一つの素材がさまざまな企業や製品に使われるため顧客の幅も広いですし、一つの素材が世界のシェアを席巻することもあります。
久留島:最初はBtoC企業や完成品メーカーを見ていた学生が、「そもそも新しい製品が生まれるきっかけは何だろう」と考えていく中で、部品や素材メーカーに興味を持つケースもあります。
完成品のイノベーションを支える、そのさらに前段階の価値づくりに携われることに魅力を感じてもらえることは多いですね。

4. 社内の雰囲気
斎藤:お二人が実際に入社して感じた、東レの社内の雰囲気はいかがですか。
久留島:就職活動をしていたときから、化学メーカーは比較的穏やかな方が多い印象がありました。
東レについても、入社前に感じていた印象と大きく変わっていません。
温厚な人が多い会社だと思います。
一方で、穏やかなだけではなくて、自分が担当している素材や仕事に対して熱い思いを持っている方が多いですね。
私が東レへの入社を決めた理由の一つも、そこでした。
斎藤:「穏やかだけど、仕事には熱い」という感じなんですね。
久留島:そうですね。
それから、自分の意見を言いやすい雰囲気もあります。
会社全体として挑戦を後押ししていて、「失敗してもフルスイング」という言葉も使われています。
「こういうことをやりたい」と思ったときに、まずやってみることができる。
周囲に相談しても、最初から否定されるというより、「やってみたらいいんじゃない」と受け入れて、必要なら周りも協力してくれる環境だと思います。
大賀:私はコロナの影響もあり、入社前に同期全員と直接会う機会はありませんでした。同期の顔ぶれを見て、少し「キラキラした人が多いのかな」と思い、馴染めるか不安な気持ちもありました。
でも実際に入ってみると、その「キラキラ」の正体は、前向きさやポジティブさだったのかなと思いました。
仕事の話をしていても、「今こういう仕事をしている」「次はこういうことをやってみたい」と、将来や挑戦したいことについて自然に話す社員が多いです。
自分の興味ややりたいことに対して、前向きに動いている人は多いと思います。
5. キャリアパスについて
斎藤:東レへ事務系総合職として入社した場合、どのようなキャリアを歩むのでしょうか。
久留島:人材育成の考え方としては、東レでは、特定の領域で専門性を高める
「スペシャリストを育成する」という方針があります。
基本的には、最初に配属された事業部門の中で専門性を深めていきます。
例えば水処理事業に配属された場合、その後、国内営業から海外営業へ担当が変わったり、扱う製品が変わったり、お客さまや担当エリアが変わったりすることがあります。
そうやって同じ事業の中で知識や経験を広げながら、その領域のスペシャリストになっていくイメージです。
その分、自分が扱っている製品や市場について深く理解できることが強みになります。
斎藤:文系出身でも、素材や技術について理解できるようになるのでしょうか。
久留島:そこは全く心配しなくて大丈夫です。
最初は繊維や化学の知識がなかったとしても、配属後に研修や工場実習を通じて専門性を身につけていきます。
実際、学生からも「文系なのに化学メーカーで働けるんですか」とよく聞かれますが、文系出身で活躍している社員はたくさんいますし、「文系だから化学メーカーは難しい」ということはありません。
斎藤:事務系では営業職が中心になるのでしょうか。
久留島:営業が最も多いですね。そのほかにも財務・経理、人事、購買・物流などがあります。
購買・物流であれば、原料や資材の調達をしたり、物流のサプライチェーンを構築したりする仕事があります。
斎藤:営業職は、一般的な「商品を売る営業」とは少し違うのでしょうか。
久留島:私たちは、東レの営業の役割を「ものづくりのプロデューサー」と呼んでいます。
東レの営業は単に完成した製品を売るだけではありません。
例えばお客さまから「もっと乾きやすい生地を作りたい」「植物由来の糸を使って環境に配慮した生地を作りたい」という相談を受けたとします。
すると営業社員がそのニーズを持ち帰って、技術部署と連携しながら、新しい素材や製品の開発を進めていきます。
斎藤:営業が商品開発の入り口になるんですね。
久留島:そうなんです。
お客さまのニーズや市場の動きを捉えて、新しい製品や新しい用途を考える。
技術部署と連携する。
商品化すると決まったら、生産の管理や在庫調整にも関わる。
一人の営業社員が、自分の担当製品についてかなり一貫して関わっていきます。
営業でありながら、マーケティングや商品企画、生産など、ものづくり全体に関わります。
だからこそ「ものづくりのプロデューサー」と呼んでいますし、
裁量も大きいので、自分で考えて新しいことに挑戦したい人には面白い仕事だと思います。
6. 欲しい学生像
斎藤:東レでは、どのような学生に来てほしいと考えていますか。
久留島:何かものすごく大きな成果を出した経験が必要、というわけではありません。
それよりも、壁にぶつかったときや困難な状況に直面したときに、自分で考えて課題を見つけ、周囲を巻き込みながら行動して、解決につなげられる人を求めています。
斎藤:やはり、主体性が重要なんですね。
久留島:そうですね。
先ほど営業の話でも触れましたが、指示を待って、あるものをただ売るだけでは、新しい価値は生まれません。
自分の担当商材について常にアンテナを張って、「この会社にも売れるんじゃないか」「こういう用途にも使えるんじゃないか」と考えて、自分から動く必要があります。
これは営業に限らず、いろいろな部署に共通すると思います。
大賀:「こういうことをやってみたい」「ここを変えた方がいいんじゃないか」というアイデアがあれば、周りもかなりフラットに受け止めてくれます。
「それならやってみたら」と協力してくれる人もいます。
だから、自分がどれだけ挑戦したいかによって、できることの幅が変わってくる環境だと思います。

7. 早大生へのメッセージ
斎藤:最後に、この記事を読んでいる早稲田大学の学生へメッセージをお願いします。
大賀:私自身も早稲田出身なのですが、学生時代を振り返ると、それぞれが自分の興味や関心に率直に進んでいる人が多かった印象があります。
全員が同じ方向を向いているというより、一人ひとりが「自分はこれが好き」というものを持って、そこを突き詰めている。
そうした熱量は、東レの素材営業に生かせると思います。
東レとしても、自分で考えて、自分のアイデアから新しいものを生み出したい人や、さまざまなことに興味を持って行動できる人に来てほしいと思っています。
それから、ぜひ伝えたいのが、「文系だから化学メーカーは関係ない」と思わないでほしいということです。
斎藤:確かに、「東レ=理系」というイメージを持っている学生も多そうです。
大賀:そうですよね。
でも、文系出身でも営業をはじめ、さまざまなフィールドで活躍できます。
特に東レの営業は、自分で市場を読み、お客さまの課題を見つけ、技術部門と一緒に新しい素材や用途を作っていく仕事です。
理系の知識を持っているかどうかだけで、選択肢から外す必要はありません。
久留島:東レは100年続いてきた会社ですが、だからといって、今のままで何もしなくても成長できる会社ではありません。
海外企業の台頭など、事業環境は常に変化しています。
だからこそ、これまで培ってきた技術や事業基盤を持ちながら、その中で新しいことへ挑戦していくことが必要です。
「自分の興味を突き詰めたい」「新しいものを生み出したい」「世界規模のものづくりに関わりたい」という方には、ぜひ東レの仕事も知ってもらえたら嬉しいです。
斎藤:創業100年の基盤がありながら、その中で自分のアイデアを持って挑戦できる。そして文系でも、素材からものづくりを動かす立場になれるということですね。本日はありがとうございました。
大賀:ありがとうございました。
久留島:ありがとうございました。
