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インターン生のほぼ全員が本選考へ。創業76年のニッチトップ・ブイテックスが、学生の心を掴んで離さない理由

Posted on 2026年5月26日 by 情報局 メンバー

早稲田大学2年生の斎藤です。 大学生活も折り返し地点を迎え、将来のキャリアについて考える機会が増えてきました。「どんな仕事をするか」はもちろん大切ですが、最近は「どんな人たちと、どんな環境で働くか」という、数字や条件だけでは見えない部分に興味を惹かれています。

今回お話を伺ったのは、株式会社ブイテックスの採用担当、宇佐見真司さんです。 ブイテックスは、半導体製造に欠かせない「真空バルブ」や、産業の安全を守る「ラプチャーディスク」という、非常にニッチながら世界的に高いシェアを誇る製品を持つメーカーです。創業76年という長い歴史を持ちつつ、現場では驚くほど「人」の温かさと、挑戦的な活気が共存していました。

インターンに参加した学生のほぼ全員が、そのまま本選考を希望するというブイテックス。その魅力の核心はどこにあるのか、宇佐見さんのこれまでの歩みとともに、じっくりとお話を伺いました。

ラグビーとフェス。採用担当の「人間味」が語る社風

斎藤: 本日はよろしくお願いいたします。まずは、宇佐見さんの自己紹介から伺わせてください。ブイテックスには中途で入社されたとお聞きしました。

宇佐見さん(以下、敬称略): よろしくお願いします。私は今年で入社6年目になります。前職はリクルーターとして、上場企業からベンチャーまで、さまざまな企業の採用支援をしていました。今はこうして落ち着いた雰囲気で話をしていますが、実は学生時代から30代後半までずっとラグビーをやっていまして。

斎藤: ラグビーですか!かなりパワフルなスポーツですよね。

宇佐見: そうですね。コロナ禍で活動が難しくなったタイミングで引退しましたが、今はそのエネルギーを趣味のアウトドアや音楽フェスに向けています。特に音楽が好きで、毎年最低でも6か所はフェスに行くんですよ。グリーンルームフェスやニューアコースティックキャンプなど、ジャンルを問わず楽しんでいます。

斎藤: フェスに行かれるんですね。私もロックが好きなので、少し意外というか、親近感が湧きます。

宇佐見: フェスに行くと、全然知らない人とも仲良くなって、気づいたら連絡先が増えていたりするんです。そういう「会話を楽しむ」とか「人との繋がりを面白がる」という感覚は、ブイテックスの社風にも通じるところがあるかもしれません。

創業76年、ニッチな世界で「なくてはならない」を作る

斎藤: 宇佐見さんがリクルーターとして外から見ていたブイテックスに、自ら飛び込もうと思った理由は何だったのでしょうか。

宇佐見: 前職でいろいろな業界のサプライチェーンを見ていく中で、「ここが止まったら全てが止まる」という急所のような存在があることに気づいたんです。それが「半導体」であり、その製造に不可欠な「真空バルブ」という製品でした。

斎藤: 真空バルブ……あまり聞き慣れない言葉ですが、どのような役割を持っているのですか。

宇佐見: 半導体は、真空の空間でなければ作ることができません。装置の中に原料を入れ、外の空間と仕切るシャッターのような役割をするのが、私たちの作るバルブです。どんなに装置の性能が上がっても、このバルブがなければ半導体は作れません。また、「ラプチャーディスク」という安全装置も作っています。これは発電所などで異常な圧力がかかった際に、それを逃がすための特殊な装置です。

斎藤: どちらも、非常に高い技術力が求められる製品ですね。

宇佐見: そうです。創業76年になりますが、ずっとこうした「ニッチだけど不可欠なもの」をオーダーメイドで作ってきました。今では社員数も350名を超え、私が知る限り、この業界ではトップクラスのシェアと信頼をいただいています。

斎藤: 安定した基盤がありつつ、成長も続けている。外側から支援するよりも、中からその成長を支えたいと思われたのですね。

宇佐見: ええ。外から紹介するだけでは伝えきれない、この会社の「人の良さ」や「改善の余地」を、自分自身の手でより良くしていきたいと考え、入社を決めました。

インターン生のほぼ全員が本選考を希望する「驚きの理由」

斎藤: ブイテックスの大きな特徴として、インターンに参加した学生が、ほぼ全員本選考に進むというデータがあると伺いました。これは、人事としてどのように分析されていますか。

宇佐見: 正直に言うと、私たちも驚いています(笑)。昨年も、辞退されたのはたった一人だけでした。学生たちが何を見てくれているのかを考えると、おそらく「働く人の雰囲気」と「現場の温度感」なのだと思います。

斎藤: 具体的に、どのような雰囲気なのでしょうか。

宇佐見: 象徴的なのが、工場見学での出来事です。インターン生が工場を回ると、通りかかる社員全員が「こんにちは」と挨拶をするんですよ。これは会社として強制しているわけではなく、自然とそうなっているんです。

斎藤: 全員が挨拶……それは、訪れる側からすると安心感がありますね。

宇佐見: それから、ブイテックスは元々「街の工場」からスタートして大きくなった会社です。その頃の「面倒見の良さ」が今も残っているんです。例えば、若手がちょっとしんどそうな顔をしていると、年配の職人さんが「どうした?飲み物でも奢ってやるよ」なんて声をかけるのが日常茶飯事です。

斎藤: 昔ながらの温かさが、350名規模になっても保たれているのですね。

宇佐見: 教育についてもそうです。基本的にはマンツーマンで、できるようになるまで何度でも教えます。「間違って覚えて失敗するくらいなら、分かるまで何度でも聞いていいよ」というスタンスです。この安心感が、学生たちに「ここでならやっていける」と思ってもらえる理由かもしれません。

茨城という「ちょうどいい」環境で暮らす

斎藤: 拠点は茨城県ですよね。東京の学生からすると、地方で働くことへの不安を感じる人もいるかもしれませんが、そのあたりはいかがですか。

宇佐見: 本社機能は茨城に集約されています。実は、首都圏の学生ほど「茨城はちょうどいい」と言ってくれるケースが多いんですよ。

斎藤: 「ちょうどいい」、ですか?

宇佐見: 都会の喧騒に少し疲れてしまった学生にとって、空が広くて、人が多すぎない環境はストレスが少ないようです。私が住んでいる場所も、駅から2kmほど離れていますが、障害物がないので駅の電車の音が聞こえるくらい空気が澄んでいます。

斎藤: それは贅沢な環境ですね。生活の質は高そうです。

宇佐見: 犯罪も少なく、隣近所の顔も分かる。安心して暮らせるという部分は、ライフイベントを考える上でも大きなメリットになります。転勤も、よほどの抜擢や組織改編がない限りは基本的にこの場所がベースになりますから、腰を据えてキャリアを築くことができます。

求めるのは、専門知識よりも「向心力」

斎藤: 専門的な製品を作っているメーカーとなると、理系の知識が必須なのではないかと思ってしまいますが、いかがでしょうか。

宇佐見: 実は、文系の方もたくさん活躍しています。そもそも「真空」という分野を大学で専門的に学べる場所は非常に少ないんです。ですから、理系であっても文系であっても、スタートラインはほぼ全員一緒です。

斎藤: 知識がない状態からでも、飛び込んでいける環境があるのですね。

宇佐見: 知識よりも大切なのは「学びたい、吸収したい」というチャレンジ精神です。私たちの製品は、一つの部署だけで完結することはありません。設計、営業、製造、管理……さまざまな部署が連携して初めて一つの製品が生まれます。

斎藤: コミュニケーション能力が重要になってくるわけですね。

宇佐見: そうです。自分から積極的に聞きに行ける「向心力」のある人は、1年目から顔と名前を覚えられ、どんどん仕事を任されていきます。そういう意味では、老舗企業でありながら「ベンチャー気質」な部分もある会社だと言えるかもしれません。

キャリアと待遇。実直な努力を評価する仕組み

斎藤: キャリアプランや評価制度についても教えていただけますか。

宇佐見: 私たちは年功序列ではなく、個人にフォーカスした評価制度を取り入れています。3年目までは基礎を固め、5年目から10年目にかけては、自ら手を挙げれば新しいプロジェクトに抜擢される機会も増えます。

斎藤: スペシャリストとマネジメント、どちらの道も選べるのでしょうか。

宇佐見: はい。10年目くらいからは、部下の育成を担うマネジメントコースと、専門性を極めるスペシャリストコースに分かれていきます。40代後半で部長を務める人もいますし、本人の適性に合わせてキャリアを形成できるようサポートしています。

斎藤: 待遇面についても、かなり力を入れていると伺いました。

宇佐見: リアルな話をすると、お給料の水準はメーカーの中では比較的高い方だと思います。ベースアップも3年連続で実施していますし、学部卒であれば初任給25万円前後、修士・博士であればそれ以上に設定しています。実直にものづくりに向き合い、成果を出している社員には、しっかりと報いたいという会社の意思があります。

学生へのメッセージ:名前ではなく「中身」で選ぶということ

斎藤: 最後に、これから就職活動に臨む学生へ向けてメッセージをいただけますか。

宇佐見: 今はたくさんの会社を自由に見ることができる貴重な時期です。ぜひ、会社の名前や規模だけで選ばず、その「中身」を自分の目で見てほしいと思います。

斎藤: 中身を見る、というのは具体的にどうすればいいのでしょうか。

宇佐見: 実際に働く人たちが、どんな顔をして、どんなやり取りをしているかを感じ取ることです。仕事は一生のうちの多くの時間を占めるものです。自分が「この人たちと一緒にいたい」と思える環境かどうかを、自分の耳で聞き、自分の足で確認してください。

斎藤: 宇佐見さんのように、仕事も趣味も全力で楽しんでいる人がいる環境は、とても魅力的に映ります。

宇佐見: 私たちは、自分から「やってみたい」と言う人を決して無下にはしません。もし、ブイテックスの雰囲気に何か惹かれるものがあったら、ぜひ一度、茨城の空気を感じに来てください。

取材を終えて

宇佐見さんとお話しして一番に感じたのは、ご自身の言葉で語られる「事実」の強さでした。ラグビーやフェスの話題で場を和ませる気さくさの裏に、自社の技術への絶対的な自信と、社員への深い愛着が透けて見えました。

「インターン生のほぼ全員が本選考に進む」という驚異的な数字は、優れた採用テクニックによるものではなく、ありのままのブイテックスという会社が持つ「人の温かさ」が、学生たちの心に真っ直ぐ届いた結果なのだと確信しました。

ニッチトップの安定感と、ベンチャーのような挑戦心。そして何より、一人ひとりの顔が見える距離感。将来に迷う学生にとって、ブイテックスは一つの「正解」を提示してくれる場所かもしれません。

宇佐見さん、貴重なお話をありがとうございました。

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