こんにちは、早稲田情報局の齋藤です。
今回は、1983年の設立以来、43年にわたって日本のIT基盤を支え続けてきた日本システムランド株式会社を訪ねました。お話を伺ったのは、同社の採用や組織づくりを牽引されている森清貴さんです。
「未経験からIT業界に挑戦したいけれど、教育体制や将来のキャリアが不安」という学生も多いはず。そんな不安を払拭するような半年間に及ぶ手厚い研修制度や、若手からリーダーを目指せるフラットな社風、さらには1分単位で支給される残業代など、同社の「誠実な姿勢」が垣間見えるインタビューとなりました。

43年間続く「安定」と「挑戦」の絶妙なバランス
齋藤: 本日はよろしくお願いいたします。まず、日本システムランドの歴史について伺わせてください。設立から40年以上続いていると伺いましたが、IT業界ではかなり老舗の部類に入るのではないでしょうか。
森さん(以下、敬称略): よろしくお願いします。そうですね、弊社は1983年に設立し、今年で43年目を迎えます 。これまで長い間経営を続けてこられたのは、一つの大きな特徴であり強みだと思っています 。
齋藤: 43年間も黒字を維持し続けるのは容易ではないと思うのですが、その秘訣はどこにあるのですか。
森: 実は、完全に赤字がなかったわけではないんです。過去に2回だけ、ITバブル崩壊後の2000年頃と、リーマンショック直後の2010年頃に赤字を経験しました 。しかし、それ以外の期間は一貫して黒字経営を継続できています 。この安定した経営基盤があるからこそ、既存事業を守るだけでなく、「DX人材育成研修」といった新しい分野にも積極的に挑戦できているんです。
齋藤: 安定した土台の上で、新しいことにも取り組んでいるのですね。事業の柱としてはどのようなものがあるのでしょうか。
森: 現在は「システム開発」と「DX人材育成研修」の二本柱で展開しています 。もともとシステム開発は金融分野を専門としていたのですが、リーマンショックを機に、現在は流通や飲食といった非金融業界へも幅広くポートフォリオを広げています 。
齋藤: 金融から非金融まで、幅広いのですね。開発の形態についても、最近よく聞く「客先常駐」だけではないと伺いました。
森: ええ。中小規模のシステム会社としては珍しいかもしれませんが、客先常駐(SES)だけでなく、自社にプロジェクトを持ち帰って開発する「受託開発」も行っています。要件定義から納品後の保守までを一貫して請け負える体制が整っているのが弊社の強みです。

文系・理系は不問。半年間でプロに育てる「研修の力」
齋藤: 学生にとって一番の関心事は、やはり「未経験からエンジニアになれるのか」という点だと思います。実際に未経験で入社される方はどのくらいいるのでしょうか。
森: 過去5〜6年の実績を見ると、入社者の約8割が未経験者です 。最近の若手社員はパソコンの操作自体に抵抗が少ないという背景もありますが、私たちの採用方針は一貫して「学歴や理系・文系を問わず、やる気があれば誰でも歓迎する」というものです。
齋藤: 8割が未経験というのは驚きです。その分、教育にはかなり力を入れているのですか。
森: はい。最初の半年間をかけて、じっくりとプロの基礎を叩き込みます。入社後の最初の2ヶ月は外部研修で基礎を学び、続く2ヶ月は自社内でより実践的なスキルを習得します 。そして最後の2ヶ月間はOJTとして実際の現場に入り、先輩の指導のもとで仕事の進め方を学んでもらいます。
齋藤: 半年もの期間があれば、文系出身の学生でも安心できそうです。
森: 実は、文系の方にはSE(システムエンジニア)としての適性がある場合も多いんです。プログラムのロジックを組む作業は文章作成に似ていますし、顧客への提案段階では分かりやすい文章を書く力が非常に役立ちますから。
齋藤: なるほど。一方で、技術を磨くだけでなく「DX人材育成研修」という教育事業そのものに関わることもあるのでしょうか。
森: その可能性もありますね。弊社のDX研修は、企業が持つデータをどう活用するかに焦点を当てたもので、集合研修やeラーニング形式で提供しています。新人研修の一環としてeラーニングを利用することもありますし、システム開発と兼任で講師として活躍する社員もいます。

3〜4年でプログラマーからSEへ。広がるキャリアパス
齋藤: 入社後のキャリアの流れについても詳しく伺いたいです。まずはプログラマーとしてスタートするのですよね。
森: はい。まずは研修を経て、最初の3〜4年ほどはプログラマーとして現場の経験を積んでもらいます。その後、顧客と直接対話する機会が増えるSEへと移行していくのが一般的な流れです。
齋藤: その先には、どのような道があるのでしょうか。
森: 大きく分けて二つの道があります。技術を極める「スペシャリスト」を目指すか、プロジェクトマネージャーなどの「マネジメント職」を目指すかです。現在はスペシャリストを志向する社員が多いのですが、会社としてはマネジメント層の強化も進めています。
齋藤: 技術職以外に転換するケースもあるのですか。
森: もちろんです。システム開発の経験を活かして「システム営業」に就くプランもありますし、エンジニアとしての知見を持ってバックオフィス側に異動するケースもあります 。やる気と適性があれば、多様なチャレンジができる環境です。
若手が主役の「ランド会」と、1分単位の誠実な待遇
齋藤: 社風についてもお聞きしたいです。社員同士の交流は活発なのでしょうか。
森: 非常に仲が良いですよ。最近の若手社員は休日も一緒に遊びに行くなど、活発に交流しているようです。社内には「ランド会」という集まりがあり、イベントの参加率はほぼ100%に達しています。
齋藤: 参加率100%はすごいですね。どのようなイベントがあるのですか。
森: 日帰り旅行やボーリング大会、最近ではイマーシブフォートに出かけたりもしました。コロナ禍で集団活動が制限されていた時期に学生生活を送った世代が多いせいか、会社での交流を新鮮に楽しんでくれているようです 。
齋藤: そうした良好な人間関係が、仕事のしやすさにもつながっているのですね。福利厚生や給与面についても、かなり「誠実」な仕組みだと伺いました。
森: 待遇面については、社員が納得感を持って働けるように整えています。例えば、昨年の新卒初任給の実績は25万円からです。ここに世帯主であれば住宅手当として1万3千円が加算されますし、実家が通勤圏外の方には、自身で選んだ住居の家賃を半額(上限4万円)補助する寮制度もあります。
齋藤: 残業の計算方法についてはいかがでしょうか。
森: 弊社には「みなし残業」という制度はありません。残業代は1分単位で計算し、全額を支給しています。昇給については、年功序列ではなく、個人の頑張りが正当に人事評価へ反映される仕組みです 。
求めるのは「バイタリティ」と「自分の意見」
齋藤: 最後に、どのような学生と一緒に働きたいと考えているか教えてください。
森: 一言で言えば「バイタリティのある人」ですね。具体的には、物怖じせずに自分の意見を言える力、そして自発的に行動して周囲を引っ張っていこうとする意欲を持っている方です。
齋藤: 技術的なスキルよりも、そうした姿勢が大事なのですね。
森: ええ。実は、弊社には過去に採用を控えていた時期があり、現在30代の層が比較的薄いんです。これは若手にとって大きなチャンスで、入社数年の若いうちからリーダー職やマネジメント職に挑戦できる機会が非常に多くあります。
齋藤: 早くから責任ある立場を経験したい学生には、理想的な環境かもしれません。
森: そう思います。「コツコツとした作業を厭わない」というエンジニアとしての適性は必要ですが、それ以上に「自分の考えを持って道を切り拓きたい」という活力ある方にお会いできるのを楽しみにしています。

取材を終えて
森さんのお話を通じて最も感じたのは、日本システムランドが持つ「誠実さ」でした。
43年にわたる安定経営に甘んじることなく、DXという新領域へ挑戦する姿勢。そして、未経験者を半年かけて育てる教育体制や、1分単位で支給される残業代といった仕組みは、働く社員への敬意の表れだと感じました。
「若いうちからリーダーを任せたい」という言葉通り、活力ある学生にとって、ここは自身の可能性を大きく広げられるフィールドになりそうです。
